スパークリング・ハニー
「それとも、そんなに簡単に捨てられる程度の気持ちなの?」
篠宮くんは、ぜんぜんわかってないよ、自分のこと。
離れることで消える程度の熱量だと思っているのなら、勘違いにもほどがある。
────その程度の気持ちなら、グラウンドにいるときにあんなに輝けたりなんかしない。
その程度の気持ちなら、今、そんな顔をしたり、しない。
くしゃり、と歪んだ篠宮くんの顔。
その顔も、また、はじめて見る表情だ。
そんな表情も、ずっと知りたかった。
「俺、は……」
震えている声。
だけど、その奥にそこはかとない熱を感じる。
たった二文字、されど二文字。
篠宮くんの口からこぼれ落ちていく。
────好き。
きみの瞳から、ほろりとこぼれた雫がアスファルトに染みをつくった。