スパークリング・ハニー
その頃、ちょうど自分のプレーに伸び悩んでいて、思うようにプレーできなくて。
苦しんでまで何のために俺はサッカーをするんだろうと、サッカーを続けていく意味を見失っていた。
そのタイミングでの、あの事故だった。
俺がサッカーをしていたことで、瑛斗さんからサッカーを奪ってしまった。
この先も誰かを傷つけてしまうかもしれない。それにどうせ俺がいくら頑張ったって瑛斗さんのようにはなれないのだ。だったら、辞めればいい。
今思えば、ただ楽な方に逃げていただけだった。
瑛斗さんのことも自己完結して、頑張ることの苦しさから逃れたかっただけ。
一番大事なことを置き去りにして、弱い心に流されていた。
サッカー部を辞めて、自暴自棄になっていた俺のことを、いろんな人が心配してくれていたのをよく覚えている。
部員のみんなも、家族も、幼なじみのみなみも。
みんなはあんなに心配してくれていたのに、寄り添おうとしてくれていたのに、あのときの俺には全然響かなくて、自分の気持ちもよくわからなくて、ただただ過ぎ去っていくつまらない日々を過ごしていた。
なんとなく俺に対して「サッカー」という単語が禁句になったりもしていた。