スパークリング・ハニー
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そんなこんなで篠宮くんとやって来たのは、学校の近くのモック。

かの有名なハンバーガーのチェーン店だ。



テーブルの上には、ふたりぶんのシェイクと、それからLサイズのポテト。

チーズバーガーにかぶりつく私を、向かいの席にすわる篠宮くんが楽しげに眺めている。


え? オーバーカロリーじゃないかって?

だってお腹すいちゃったんだもの。
腹がへっては戦はできぬ、だよ。



「……篠宮くん?」



篠宮くんがあまりにもまっすぐこちらを見つめてくるから、不思議に思って首をかしげる。

すると、篠宮くんは、ふっと笑った。



「すげー美味しそうな顔して食べるなって」



にこにこ笑う篠宮くん。
屈託のない笑みに、逆に不安になる。


もしかして、めちゃくちゃ食い意地はってる人だと思われた……? なんて。



「美味そーに食べる人、好きなんだよな。見てて気持ちよくて」

「っ、そ……それはなにより」



口にしてから、とても変な相づちを入れてしまった、と後悔する。




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