スパークリング・ハニー


「な、なんで……?」

「だって、いつも見てるでしょ」

「えっ」

「教室の窓から、サッカー部の練習」

「……っ!」



ごほ、と思わずむせる。

口に含んだばかりだったシェイクを危うく噴き出してしまうところだった。なんとか、こらえたからセーフ。



「知ってるのっ!?」



私が、いつも見ていること。
まさか、ばれているなんて思ってもみなかった。



「いつも見てんなあって思ってた。だから、サッカー好きなんだろうなって」

「……うっ、まあ、そんな感じかな」



ほんとうのほんとうは、サッカー部というよりは、篠宮くんを見ているわけで。サッカーが好き、というには少しばかり不純な動機。

もちろん、サッカーも好きなことには変わらないけれど。



「うん。それでさ」

「……?」

「今度の試合、クラスの何人かが応援に来てくれるらしいんだけど、瑞沢も来ない?」

「ええっ」



思わず声をあげる。

今度の試合って、うわさに聞く、篠宮くんがスタメン入りしたという……。



「忙しかったらいいんだけど」



そう付け足した篠宮くんに思いっきり首を横に振った。




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