スパークリング・ハニー


「ううんっ、逆にいいのっ?」


だって、私としては願ったり叶ったりなのだ。

たとえ、忙しかったとしても全力で予定をあけるくらいの気持ち。



だけど、迷惑じゃない?


言ってしまえば、私は完全にサッカー部の部外者だもの。

他に応援に来るであろうみんなに比べても、篠宮くんとのキョリが近いともいえないし。



気をつかって誘ってくれているのだとしたら、すごく申しわけないと思う。




「瑞沢さえ大丈夫なら、来てくれると俺は嬉しいよ」

「っ、行きます!!」

「ふはっ」



食い気味の返事に、篠宮くんが声をあげて笑った。

でも、だって、篠宮くんにそう言われて、行かないなんて選択肢は私にはないよ。




「全身全霊で応援するね!」

「ふ、楽しみにしとく」




柔らかく微笑む篠宮くんに心が踊る。



今日で一学期の見納めだと思っていた、サッカーをする篠宮くんの姿。次にお目にかかるのは、夏休み明けだと思っていたのに、テストが終わったあとすぐに見られるなんて。それも、試合。



今からそわそわしてしまう。





< 42 / 299 >

この作品をシェア

pagetop