スパークリング・ハニー


少し離れたところから、こもりんの声。

ひゅんっと勢いをつけて飛んできたなにかを慌てて顔の前でキャッチする。



「……っ?」



こもりんが投げ寄こしたのはキャップ帽だつた。
ついさっき、みなみちゃんがかぶるのを、用意周到だと感心していた、それ。



「光莉、かぶるもの持ってないでしょ。それ使っていいよ〜」

「えっ、ほんとにっ?」



手にしたキャップをまじまじと見つめる。
至れり尽くせりだ。


でも、これ、こもりんのものにしてはちょっとボーイッシュなデザインだな。


女の子がかぶっていても別におかしくはないのだけれど、こもりんの好みからは少し外れている気がする。


そう不思議に思いながらも。




「ありがとーっ!」



キャップをかぶりつつ、身振り手振りで感謝の気持ちを伝える。



「どういたしましてーって言いたいところだけど、実はそれ朝陽のなんだよね」

「っ、篠宮くんっ!?」




思わず大きな声を上げてしまって、慌てて口元をおさえた。



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