スパークリング・ハニー


応援するというよりは見惚れるに近しい。



ただただ、目の前で繰り広げられるゲームに釘づけになっていた。


こうして、生でスポーツを観戦すること自体がすごく久しぶりなのだ。


沸き立つような感覚、やっぱり、スポーツというのはする側だけでなく見る側にとってもすごく魅力的。



相手校との実力はほぼ互角で、とりつとられつの接戦は、まさに、手に汗を握るという表現がふさわしい。



食い入るように見つめているうちに前半の終わる合図が鳴り響く。

サッカー、高校生の試合は基本的に前半40分、後半40分の計80分だ。


もう40分も経っていたの?
体感だと、全然そんな感じがしない。



「ひかちゃん!」

「あ、みなみちゃん……っ」



いけない。

隣にいるみなみちゃんの存在をすっかり忘れてしまっていたよ。



「すっごく集中してたね。息してないんじゃないかって思うほどだった」

「えへへ、つい」



みなみちゃんの言う通り、息をすることすら忘れる勢いだった。

声援を送ることも、歓声をあげることも忘れて。ただ、目を見開いて、焼きつけるように。

さらには無意識のうちにほんとうに息をとめてしまっていたらしく、今、ちょっと息苦しい。酸欠だ。



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