スパークリング・ハニー

先輩に混じっていても、遜色なかった。

むしろ活躍している、といっても過言じゃないと思う。



練習と努力のたまものであることには違いないだろうけれど、持ってうまれたものも垣間見えるような、そんなプレーだった。



「朝陽はすごいよ」



シンプルな褒め言葉。

だけど、みなみちゃんの声のトーンには、それ以上のものがしっかり詰まっている。




「……でも」

「でも?」



一転して、みなみちゃんの表情にほんのわずかな影がさす。



「……朝陽、ほんとうは、もっと凄いのに」

「……え、」



ほんとう、は?
ぽつり、みなみちゃんの口から零れた言葉に疑問を抱く。


もっと凄い……ってことは、今は、そうじゃない、ってこと?


微妙に沈んだ空気。
少し重いそれを振り払うようにみなみちゃんは、ぱちん、と両手を合わせて。



「ほら、もうすぐハーフタイム終わっちゃう!お茶飲も、水分とらなきゃね!」

「あっ、そうだね!」



10分のハーフタイムは意外と短い。

試合中となると、水分補給も忘れる勢いで集中してしまうので、今ちゃんと水分をとっておかないとね。

ぐびぐびとお茶を喉に流しこむ。



そのすぐあと始まった後半戦。

みなみちゃんのセリフが頭の片隅にひっかかりつつも、結局すぐに試合に引きこまれていったのだった。




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