スパークリング・ハニー


「じゃ、私はまだ片付けが残ってるから行くね」

「そっか、またね!」



試合が終わっても仕事は尽きることがないみたい。

こうしてみると、マネージャーも含めてひとつのチームなんだな、とやっぱり思う。

私もそろそろ帰ろうか、とその場から動こうとしたとき。



「瑞沢」

「篠宮くん……っ」



こもりんと入れ替わるように現れたのは、先ほどまでグラウンドを駆け回っていた、あの篠宮くんだった。

練習着ではなく試合用のユニフォーム姿をこの距離でまじまじと見るのは初めてで、より神々しく見えて困る。



「今日、来てくれてありがと」

「いえ!こちらこそ、いいものを見させていただいたというか!」



おめでとう、としっかり口にすると、篠宮くんは柔らかく口角をあげた。



「そうだ、これ……」



かぶっていた借りもののキャップ。
篠宮くんのものだったことを思い出して。



「ほんと、ありがとう。洗って返すね!」

「いやいいよ」



ぺこり、頭を下げた拍子に篠宮くんが、私の頭からキャップを奪い取った。




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