スパークリング・ハニー


体調わるい、ってあんまり経験したことがない。
なのに、しんどい、ってこういうことなんだって今思うんだもん。


どこかしこにも、力が入らない。
冷えきった体、きっと今、唇は青ざめて、ひどい顔をしているだろうと思う。


ツイてないなあ。


強がって『大丈夫』なんて言ってみたはいいものの、大丈夫になる気配が全然しない。



口角を無理やりあげて笑顔をつくる。
笑っていれば、いいことがあるはずって信じてる。


でも、やっぱり情けなくて涙目。
泣き笑いのアンバランス、へんな顔になってしまう。


我慢していた涙がうるうる溜まって、そろそろこぼれ落ちてしまいそうだ、と思ったタイミング。


目の前に、太陽みたいな影がさした。



「大丈夫?」




心地のよい、陽だまりみたいな声だと思った。

顔をあげる、するとそこには綺麗な焦茶の髪の毛の男の子。

同い年くらい、ということは彼もきっと受験生で。



「あの、大丈夫っ、なので」



どうぞ先に、とジェスチャーで伝える。
だけど、彼はうずくまる私の前にまわってしゃがみ込んだ。



「大丈夫じゃないよな、どう見たって」




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