スパークリング・ハニー


きっぱりと否定した篠宮くん。
対する私はきょとんとする。


違う?
じゃあ……どういうこと?



「なにかあったら、って思ったから」



心配そうな瞳。
日の光を受けるとハチミツに輝くそれは、月光の下では夜露のようにきらきらしている。




「私……、怖がりでもかよわくもないよ?」

「知ってるよ」

「でしょ?」



こてんと首を傾げると、篠宮くんは小さく笑った。



「でも、瑞沢はかわいいから」

「……!」



び、びっくりした。
どきどき、心臓が急にうるさくなる。

ああ、わかっているのに、またマトモに食らってしまった。



「お、お世辞はいいよっ」

「……? かわいいよ、瑞沢は」



涼しい顔でさらっとそんなことを言う。
言われ慣れない。相手が篠宮くんならなおさら。

どうして、篠宮くんはいつもそんな風に。



「だから、ひとりなのはちょっと心配だなって」

「……っ」



女の子扱いなんて、生まれてこの方されたことがない。

見ての通り、見た目は平々凡々だし。
風邪はあんまりひかない、体は丈夫だし。


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