スパークリング・ハニー
「あのね、果てしないんだよっ?」
「……?」
「果てしなく遠いと思うの」
なにが、ってきょとん顔の篠宮くん。
「篠宮くんと、私の間のキョリ」
「ああ、うん」
けっこう、あっさり頷いた篠宮くん。
「遠いよな、わかるよ」
わかる、ってどういうことだろう。
一瞬思って、でも、あたりまえかってすぐに納得した。
1億4960万キロメートル。
地球と太陽のキョリ。
私と篠宮くんの間の距離も、可視化すると、きっとこのくらいだ。
「でも、近づきたいって思う」
「私、に?」
「瑞沢以外誰がいるの」
篠宮くんがくす、と笑う。
空気が揺れて、私の心臓の奥の方もとくんと波打った。
近づいちゃいけないひと、なの。
私にとって。
この距離で眺めているくらいが、あったかくて明るくてちょうどよくて、近づけばきっと、熱くて眩しくて焦げてしまうから。
なのに。
「瑞沢は、どう思う」
なんてことを聞くんだって思った。
難しい問いを、ひょいと投げかけてくる。
どう思うって、どうもこうもないよ。