無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「はじめまして。僕、冬花ちゃんとお付き合いさせてもらってます、黒瀬佑都です」
なんとも徹底した仮面の被り方。
主語が"僕"なんて今まで聞いたことないし。
「あら、そう……。
冬花のことよろしくお願いしますね」
あっさりとした反応。
驚きもしなければ、笑いもしない。
普通なら会話を広げるところだけれど、わたしに興味のないお母さんは、当たり障りのない言葉を並べて会話を広げようとしない。
さっきから腕時計をチラチラ見ながら時間を気にしている様子から、早くこの場を去りたいことがわかる。
「じゃあ、わたしはそろそろ行くわね。またしばらく戻れそうにないから。いつもどおり1人でよろしくね」
「……うん、わかったよ」
わたしが弱々しく返事をしたのにもかかわらず、それを気にする素振りも見せず、そそくさと家を出て行った。