無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



抵抗するひまもなく、めちゃくちゃ強引に教室から連れ出されてしまった。


「ちょっ、ちょっと!どこに連れて行く気ですか…!」


学校を出たわたしは白坂先輩に腕を引かれたまま、行き先も告げられず見慣れない景色が流れる道を歩く。



「んー、まあついてきて損はないから。
ってか、ついてきてくれないと俺が佑都に怒られるから」


「いや意味わかんないんですけど……」



結局、抵抗するのも無駄だと思い、
そのまま歩き続けること20分くらい。

駅に着き、電車を乗り継ぎ、
知らない駅で降りて、歩かされている。


何も話さず、歩いていると、突然白坂先輩が口を開いた。



「佑都さー、今ケガして学校休んでるんだよねー」


え…?

佑都先輩ケガしてたの?
しかも休んでるって……。



「ケガって言っても足首ひねったくらいだけど。階段から落ちてバランス崩したみたい」


「は、はぁ……」



佑都先輩でもそんなドジするんだ…と思いながら足を進める。

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