無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
そのまま佑都先輩は大きなL字型のソファの上にドサッと座った。
「どーかした?なんかすごい間抜けな顔してるけど」
ソファに座りながら、わたしのほうを不思議そうな顔をして見ている。
「いや……先輩って何者ですか……」
「何者ってごく一般的な庶民ですけど」
「これが庶民だったら世の中金持ちまみれですよ…」
「ははっ、金持ちまみれって面白いこと言うねー」
すると、今座ったばかりなのに、佑都先輩が急に立ち上がってキッチンのほうに向かった。
歩く姿を見て、今も若干足を引きずっているのがわかる。
「あ、大丈夫ですか。わたし何か手伝ったほうがいいですか?」
「へー、冬花ちゃんにしては気が利くね」
「ひとこと余計です」
こうしてキッチンを借りて、先輩にコーヒーを、わたしは紅茶をいれた。