無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「冬花……」


やっと離れたのに、わたしの名前を甘い声で呼んで物欲しそうな顔でこちらを見てくる。



「ちょっ、ちょっとまって……!い、いったん落ち着いて……っ」


「……なんで?」



「さっきまで雨に打たれてたせいで、全身びしょ濡れだし……。か、風邪引くからとりあえず着替えたほうがいいでしょ……?」


わたしよくこの状況で、まともなこと言えるな……。



すると、夏向がジーッとわたしを見たあと。


「冬花が風邪引くのやだから、俺の服貸してあげる」


わたしから離れて、部屋の電気をつけた。


パッと明るくなった部屋を見渡せば、ここはおそらく夏向の部屋だということがわかる。


大きなベッドがひとつと、そのそばに使われていなさそうな勉強机と空っぽの本棚。


パッと見でもわかる。
生活感があまり感じられない、さびしい部屋。

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