無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「……ちゃんと拭かないと風邪ひく」

「わっ、そんなクシャクシャにしないでよ」


慣れない手つきで夏向がわたしの頭をタオルでクシャクシャにする。


目線を上げてみれば、しっかり夏向の顔が見える。


「夏向も髪の毛濡れてるよ?ちゃんと拭かないと風邪ひいちゃう」


「……いーよ、俺のことは気にしなくて」


夏向は自分の心配っていうのをしないんだろうか。


さっきだってあんなひどい雨の中ずっと外にいて、夏向のほうが風邪をひく可能性が高いのに、わたしのことを気にしてばかり。


自分のことを優先しようとしない。



「だ、ダメだよ……。ちゃんとしないと」


わたしの髪を拭いてくれる夏向の手を止めさせるために、ベッドから立ち上がった。


そして代わりに夏向をベッドに座らせた。
わたしはそんな夏向の正面に立つ。


こうすると、立っているわたしのほうが座っている夏向を上から見ることができる。

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