転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
(おとなしくしていれば殺さないって……どういうことかしら……)

 三人とも、イローウェン王国風邪の衣服を身に着けていた。

 イローウェン王国の男性服は、オストヴァルト帝国の男性服より、上着の裾が長めだ。そして、シャツの襟の形が違う。喉の上までぴったりと覆う形になっている。

 というのも、イローウェン王国はオストヴァルト帝国よりも北にあり、喉を守るために襟が高くなっている。上着が長めなのも、防寒のためだ。

 母国の衣服を見て、どこか懐かしいと思ってしまったのは、この国での生活に完全になじんではいないということなのだろうか。

「あとで迎えに来たやつらに、このふたりを引き渡せばいいんだろ?」

「ああ、それで俺達の仕事は終わりだ」

 けれど、彼らの様子を見ていて、ヴィオラはなんだか落ち着かない気分になった。どうして落ち着かないのだろうと、彼らの様子を見続けながら考える。

(……言葉が違う?)

 彼らが身に着けているのが懐かしいと思ったのは、イローウェン王国風だったからだ。

 それなのに、彼らの言葉には、イローウェン王国独自のなまりというものが存在しない。ひょっとして、彼らは帝国に移住して長い人達なのだろうか。でも、それならむしろ帝国風の衣服にイローウェンなまりの方が自然だ。

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