転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
(なんとかしなくちゃ……)

 懸命に思考を巡らせるけれど、いい考えは浮かんでこない。代わりに、目の前にいる男達の顔をしっかりと覚えておくことにする。

 それより、ニイファは大丈夫だろうか――意識を失ったままぴくりともしない。

 彼女の意識が戻ったら、ふたりで逃げ出す計画を立てなければ。どうやって逃げ出すのか、まったくもって見当もつかないけれど。

 縛られていては、逃げることもできない。どんどん心細くなってきて、ついには涙もこぼしてしまう。

 助けなんて、来るはずなかった。

 アデリナ皇妃やリヒャルトが、ヴィオラが行方不明になったと気づいたとしても、今、どこにヴィオラがいるかまではわからないだろう。

 ニイファとふたり、きっとこのまま殺されてしまうのだ。せっかく、帝国に来たのに、まさか、再び命を奪われることになるとは思ってもいなかった。

 ヴィオラの目からぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。そして、頬を伝って、床に染みを作った。

 涙を止めたいと願うけれど、腕を縛られているので拭うこともできない。ただ、次から次へと無言のまま涙をこぼし続ける。

「おい、泣くな。声を出すと大変なことになるぞ」

 大きく目を見開いたまま、ヴィオラは二度うなずく。ニイファの命も預かっているのだ。

(……誰か、助けて……)

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