転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
 剣を蹴り出し、セスが問う。

「降参するか?」

 男がなにかと言ったかと思うと、セスは剣をおさめた。男がその隙にセスを殴ろうとするが、逆にセスのブーツが男の顎にめり込む。

「んー、んんんーっ!」

 懸命に叫ぶと、リヒャルトはヴィオラの方に向き直った。かがみ込み、猿轡を外してくれる。

「こ……怖かった……!」

 長い間猿轡をはめられていたからか、ヴィオラの口から出た声は思いきりかすれていた。

「怖い思いをさせてすまなかった。まさか、皇宮の中で誘拐されるとは……」

 ヴィオラを拘束していた縄がぷつりとナイフで切られ、次の瞬間にはリヒャルトの腕の中に抱え込まれていた。

「本当に、怖い思いをさせてしまったな。すまない……すまない、ヴィオラ」

「ニ、ニイファは……?」

 かすれたままの声でそう問いかけると、部屋の向こうからセスが教えてくれる。

「意識を失っているだけだと思います。ひどい怪我はないようですので、ゆっくり休めば大丈夫でしょう」

「よ、よかった……」

 素直な言葉が、ヴィオラの口から零れた。ニイファが無事で、本当によかった。ニイファの身になにかあったなら、ヴィオラは自分が許せなかったことだろう。

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