転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「今度こそ、守るから」

 真剣な顔をしてリヒャルトがこちらを見るから、胸の奥がざわざわとしてしまう。そんな顔をしなくてもいいのに。

 そんな顔をされてしまったら――。

(だめ。これ以上は、だめ)

 自分にそう言い聞かせる。

 恋をしたところで、絶対に相手にされない。心はともかく、身体は十二歳の少女なのだ。国の規模だって違いすぎる。

 いつか、リヒャルトは彼にふさわしい人と結婚するのだ。だから、この気持ちは、これ以上育たないようにしなければ。

「母上を皇妃の座から下ろそうとする動きがあるのだとも思う。だから、豊穣祭をひとまずは無事に乗り切りたいんだ。君の警護も、俺自身の手で対応できればいいのだが……」

「そんなこと、する必要はないんですよ。リヒャルト様は、この国の皇太子なんだから。私のことまで心配しなくていいんです」

 もしリヒャルトが助けに来てくれなかったら、あの湖で命を落としていた可能が高い。だから、これ以上彼の負担になってはいけないと思うのだ。

 そう言ったら、彼は難しい表情になった。

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