転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「私は命じてないわ! そなたが勝手にやったことでしょう。ねえ、陛下――国元から、皇妃の座を求められていたことは否定しませんわ。でも、アデリナ様を暗殺なんて――皇妃を暗殺するなんて、そのような恐ろしいこと、私にできるはずもありません」
嘘つき、となじる女を連れ出すようにリヒャルトが命じる。厨房の元料理人にも下がるように命じた。
「父上、ティアンネ妃の罪については、この場で結論を出さずともよいでしょう。自分の部下である侍女の監督不行き届きというだけでも、彼女を謹慎させる理由になります」
リヒャルトのその言葉に、皇帝はほっとした様子で息をついた。
「そうだな、リヒャルトの言うとおりである――ティアンネは、自分の宮で謹慎するように。あとのことは、追って沙汰を出すとしよう」
皇帝の命令は絶対で、ティアンネ妃も逆らうことはできない。彼女としては不満もたくさんあるだろうが、皇帝に逆らうのは得策ではないことくらい、彼女もわかっている。
「――濡れ衣が晴れることを期待しております、陛下」
深々と一礼したティアンネ妃は、それでも持ち前の優雅な動きを崩さずに部屋を出て行こうとする。そこに、爆弾を投下したのはリヒャルトだった。
「……まだ、気づきませんか?」
立ち去りかけたティアンネ妃は、肩越しにリヒャルトの方へと振り返った。
「少々、息苦しくありませんか? 心臓の鼓動がいつもより早くなっていませんか?」
「なっ……」
「目には目を、歯には歯をと言いますが――毒物には、毒物で返すのも、悪くありませんよね? 先ほど、ヴィオラが運んだ水を、あなたは飲んだでしょう」
儀式が始まる前、ヴィオラが運んだグラスに入っていた水は――ただの水ではなかった。 そう説明したリヒャルトは一度そこで言葉を切った。
嘘つき、となじる女を連れ出すようにリヒャルトが命じる。厨房の元料理人にも下がるように命じた。
「父上、ティアンネ妃の罪については、この場で結論を出さずともよいでしょう。自分の部下である侍女の監督不行き届きというだけでも、彼女を謹慎させる理由になります」
リヒャルトのその言葉に、皇帝はほっとした様子で息をついた。
「そうだな、リヒャルトの言うとおりである――ティアンネは、自分の宮で謹慎するように。あとのことは、追って沙汰を出すとしよう」
皇帝の命令は絶対で、ティアンネ妃も逆らうことはできない。彼女としては不満もたくさんあるだろうが、皇帝に逆らうのは得策ではないことくらい、彼女もわかっている。
「――濡れ衣が晴れることを期待しております、陛下」
深々と一礼したティアンネ妃は、それでも持ち前の優雅な動きを崩さずに部屋を出て行こうとする。そこに、爆弾を投下したのはリヒャルトだった。
「……まだ、気づきませんか?」
立ち去りかけたティアンネ妃は、肩越しにリヒャルトの方へと振り返った。
「少々、息苦しくありませんか? 心臓の鼓動がいつもより早くなっていませんか?」
「なっ……」
「目には目を、歯には歯をと言いますが――毒物には、毒物で返すのも、悪くありませんよね? 先ほど、ヴィオラが運んだ水を、あなたは飲んだでしょう」
儀式が始まる前、ヴィオラが運んだグラスに入っていた水は――ただの水ではなかった。 そう説明したリヒャルトは一度そこで言葉を切った。