転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
 大人達はワインを飲んでいるようだったけれど、ヴィオラに用意されているのはハーブ水のグラスだ。事前に酒は飲めないと申告しておいたのだ。

 この世界に飲酒の制限年齢はないけれど、なんとなく気が引けるというかなんというか。

 この国の晩餐会は、基本的には前菜、スープの順で供され、さらに魚料理、もしくは卵を使った料理、口直しのシャーベットを挟んで肉料理が続く。

 この国では酪農と養鶏が盛んで乳製品と卵が広く食べられるのに加え、魚料理はさほど発達していないために、このような発展を遂げたようだ。そして、チーズ、食後の飲み物とデザートで終了となる。

 と、必死に頭に叩き込んだ知識を思い浮かべている間に、前菜が運ばれてきた。

(……まずは前菜)

 色とりどりの野菜に、クリーム色のソースがかけられている。酸味と甘みが絶妙にマッチしたソースが、野菜の味を引き立てている。ほのかにチーズの香りもするのが、帝国風らしさを強調している。

 次がキノコのポタージュだ。様々な種類のキノコが使われている。キノコが飾られ、パセリが散らされているが、スープにもキノコが混ぜ込まれているようだ。

 スープスプーンを取り上げ、鼻を寄せればキノコのいい香りが漂ってくる。

「……ん?」

 一口含んで、違和感を覚えた。口の中で何度も転がし、飲み込む。

 やっぱり、違和感がある。

 それから、もうひと口。

 誰も気づかないのだろうか――。このポタージュ、このまま飲んでは、体調不良を起こしかねない。

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