転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「――このポタージュを飲んではいけません!」

 急に立ち上がり、大声を出したヴィオラに皆驚いた様子だった。

「そこの娘――どういう意味だ? このスープに何か不満でも?」

 テーブルの一番向こう側から、皇帝がこちらを睨みつける。さすがに大国を治めているだけあって彼の眼力は鋭かった。思わず首をすくめそうになるけれど、負けずにヴィオラは続けた。

「このポタージュ、毒キノコが入っています! キノコは毒のあるものとないものの区別がつきにくいから……特にソメカイタケとか」

 大声をあげて続けたけれど、誰もヴィオラの言葉に賛成してくれなかった。皇帝は不機嫌な顔になり、ヴィオラに向かって手を払う。

「わが皇宮の厨房係が、毒キノコを混入させるような過ちを犯すと? もうよい、このような言いがかりは不愉快だ。そなたはこの場から出ていくがよい」

「で、でも……!」

「帰れ!」

 言葉を重ねて説得しようとしたけれど、それ以上は無駄な抵抗というものだった。皇帝はヴィオラに向かって帰るように大きく手を振って合図した。

 立ち尽くしていたヴィオラの腕に、背後から誰かの手がかけられた。肩越しに慌てて見上げると、そこに立っていたのは警備の兵だ。

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