転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
このままでは、兵士に抱えられて連れ出されることになる。
「……失礼します」
悔しいけれど、ヴィオラにこれ以上できることはない。その場で一応頭を下げ、兵につまみ出される前に晩餐会の会場を後にする。
ヴィオラの背中越しに、集まった人達がひそひそとささやき合う声が聞こえてくる。
(……本当に、毒キノコが入っていたんだから……)
ポタージュを口に含んだ瞬間、かすかに口に広がる苦み。それは、普通のキノコが持ち合わせているものではなかった。他のキノコの風味にかき消されてしまうから、よほど注意して食べなければ気づかないだろう。
たった一度だけ、ヴィオラはそのキノコを食べたことがある。それは、今と同じようにキノコのポタージュに紛れ込んでいた。
あの時は、数日寝込む大変な騒ぎとなったけれど、皇帝にその時のことを説明する前に出ていかざるを得なかった。
(私にはわかると言っても、説得力ないだろうし……)
とぼとぼと玄関ホールまで出てきたところで気がついた。馬車はこの太陽宮から回されたもので、ヴィオラ個人の持ち物ではない。
そしてその馬車は、今はどこか他の場所に置かれている。
(誰かに馬車を探してもらわないと……)
だが、見渡す限り無人。通りがかる人もいなさそうな雰囲気だ。
右を見て、左を見て。助けになってくれそうな人が誰もいないことに深々とため息をつく。
しかたない――こうなったら、歩くしかない。
どちらの方向から来たのかは覚えている。ヴィオラは意を決し、歩き始めた。
「……失礼します」
悔しいけれど、ヴィオラにこれ以上できることはない。その場で一応頭を下げ、兵につまみ出される前に晩餐会の会場を後にする。
ヴィオラの背中越しに、集まった人達がひそひそとささやき合う声が聞こえてくる。
(……本当に、毒キノコが入っていたんだから……)
ポタージュを口に含んだ瞬間、かすかに口に広がる苦み。それは、普通のキノコが持ち合わせているものではなかった。他のキノコの風味にかき消されてしまうから、よほど注意して食べなければ気づかないだろう。
たった一度だけ、ヴィオラはそのキノコを食べたことがある。それは、今と同じようにキノコのポタージュに紛れ込んでいた。
あの時は、数日寝込む大変な騒ぎとなったけれど、皇帝にその時のことを説明する前に出ていかざるを得なかった。
(私にはわかると言っても、説得力ないだろうし……)
とぼとぼと玄関ホールまで出てきたところで気がついた。馬車はこの太陽宮から回されたもので、ヴィオラ個人の持ち物ではない。
そしてその馬車は、今はどこか他の場所に置かれている。
(誰かに馬車を探してもらわないと……)
だが、見渡す限り無人。通りがかる人もいなさそうな雰囲気だ。
右を見て、左を見て。助けになってくれそうな人が誰もいないことに深々とため息をつく。
しかたない――こうなったら、歩くしかない。
どちらの方向から来たのかは覚えている。ヴィオラは意を決し、歩き始めた。