転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
 一階にあるその部屋まで、サボのまま大急ぎで行くと、リヒャルトが困惑した顔で待っていた。彼の側には、見たことのない青年が付き添っている。

「君が言っていた通り、体調を崩す者が続出した。何が原因なんだ? 君は、毒キノコと言っていたようだが、何のキノコかわかるか?」

 今、ここに来たリヒャルトは、少しイラついているようにも見える。

「ソメカイタケです」

「なぜ、わかった」

「……味で」

 ヴィオラは自分の唇に、人差し指を当てた。ちょっとだけ舌を出し、すぐに引っ込める。

「私、舌が鋭いんです。イローウェン王国にいた時、間違えて口にしたことがあって、ソメカイタケの味を知っているんです」

 説明しながらも、この様子では信じていないな、と冷静に分析する。

 だって、今、ヴィオラの話を聞いている間も、どんどんリヒャルトの眉間に刻まれている皺は深さを増しているのだ。

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