転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
考え込んでいると、リヒャルトがこちらをのぞき込んでくる。
「どうした? これで終わりか? それなら、終了だと言ってくれ」
「ごめんなさい、わかりません。あと一つ、ショウガに似た風味のものが入っているのですが、ショウガじゃないんです。食べたことがない食材なので、名前がわかりません」
「それは、チャルディアというハーブだ。我が国にしかないと思う」
「それって意地が悪くないですか? 食べたことのない食材の名前を当てることはできませんよ!」
ぷいと顔を背けたら、リヒャルトが意外にも軽やかな笑い声をあげた。
「今のは俺の意地が悪かった。だから、そうむくれないでくれ」
顔をそむけたままだったヴィオラだったけれど、リヒャルトが手を取ったのでびっくりしてしまった。
「……あの」
「君の舌を疑ったことを謝罪する。チャルディアをショウガと間違えるのではないかと思ったのだ。チャルディアがなければ、代用品としてショウガを使うこともあるそうだからな」
「一瞬、ショウガかとは思いましたけど」
でも、出されたもの、どれもおいしかったのは否定できない。
特に最後のソースは、焼いた肉にかけたら最後に残る甘みと酸味が肉の油をさっぱりさせてくれるのではないかと思う。
「晩餐会の時、君の言葉を疑ったことも合わせて謝罪する」
「それも、もういいんですけど……」
こうやって全面的に謝罪されたら、ヴィオラの方からはもう何も言う必要はないのだ。謝罪を受け入れて、それで終わり。
「終わったなら、私は帰りますね。ニイファも心配していると思うので」
立ち上がりかけたヴィオラを、リヒャルトは引き留めた。
「君のおかげで母も助かった。もしポタージュを全部飲んでいたら、もっと重症になっていただろう。あまり身体の丈夫な人ではないから」
(そういえば、アデリナ皇妃ってあまり身体が丈夫ではないんだっけ)
病気で引きこもりがちのため、皇妃の公務は第二妃であるティアンネ妃が代行していることが多い。それもまた、皇妃が軽んじられるひとつの理由だった。
「お役に立てたなら、よかったです」
「今後は兄のように頼ってほしい。俺にできることがあれば、なんでもする。まずは名前で呼んでもらおうか」
「ありがとうございます、殿下。そのうち何かお願いするかもしれません」
分不相応な行動はとらない方がいい。
「どうした? これで終わりか? それなら、終了だと言ってくれ」
「ごめんなさい、わかりません。あと一つ、ショウガに似た風味のものが入っているのですが、ショウガじゃないんです。食べたことがない食材なので、名前がわかりません」
「それは、チャルディアというハーブだ。我が国にしかないと思う」
「それって意地が悪くないですか? 食べたことのない食材の名前を当てることはできませんよ!」
ぷいと顔を背けたら、リヒャルトが意外にも軽やかな笑い声をあげた。
「今のは俺の意地が悪かった。だから、そうむくれないでくれ」
顔をそむけたままだったヴィオラだったけれど、リヒャルトが手を取ったのでびっくりしてしまった。
「……あの」
「君の舌を疑ったことを謝罪する。チャルディアをショウガと間違えるのではないかと思ったのだ。チャルディアがなければ、代用品としてショウガを使うこともあるそうだからな」
「一瞬、ショウガかとは思いましたけど」
でも、出されたもの、どれもおいしかったのは否定できない。
特に最後のソースは、焼いた肉にかけたら最後に残る甘みと酸味が肉の油をさっぱりさせてくれるのではないかと思う。
「晩餐会の時、君の言葉を疑ったことも合わせて謝罪する」
「それも、もういいんですけど……」
こうやって全面的に謝罪されたら、ヴィオラの方からはもう何も言う必要はないのだ。謝罪を受け入れて、それで終わり。
「終わったなら、私は帰りますね。ニイファも心配していると思うので」
立ち上がりかけたヴィオラを、リヒャルトは引き留めた。
「君のおかげで母も助かった。もしポタージュを全部飲んでいたら、もっと重症になっていただろう。あまり身体の丈夫な人ではないから」
(そういえば、アデリナ皇妃ってあまり身体が丈夫ではないんだっけ)
病気で引きこもりがちのため、皇妃の公務は第二妃であるティアンネ妃が代行していることが多い。それもまた、皇妃が軽んじられるひとつの理由だった。
「お役に立てたなら、よかったです」
「今後は兄のように頼ってほしい。俺にできることがあれば、なんでもする。まずは名前で呼んでもらおうか」
「ありがとうございます、殿下。そのうち何かお願いするかもしれません」
分不相応な行動はとらない方がいい。