転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「側に寄らない方がいいって……? 嘘っ!」

 蓋をあけられた壺の中身を見てびっくりした。

 そこにみっしりと詰められていたのは、前世ではとてもなじみ深い食材だったのだ。こちらの国に、ヴィオラと同じように前世で日本人だった人がいるのだろうか。

「私、これ知ってます。食品と言うか……調味料、でいいのかな……?」

「ヴィオラは、これが何なのか知っているのか?」

「はい。『味噌』です。スープの味付けに使ったり、あとはお肉やお魚を漬け込んだりしてもおいしいです」

「食費の削減に使えるという話だったが、調味料ではな……」

 食費の削減とはどういうことだ。首をかしげていたら、リンデルトはヴィオラに教えてくれた。

「騎士団員には平民出身の者も多いので、食事はだいたい質より量――なのですよ。身体を動かしますしね。まずいというわけでもないのですが」

 平団員は安いくず肉を使っていたり、上の者になれば上質の肉を使っていたりとそんなところで、階級によって騎士団の食事は、若干変わるらしい。

「それでも、ここにいれば一日三食きちんと食べることができるからな。平民出身の者にとってはありがたいものだそうだ」

 と、リヒャルトが追加してくれる。

「だが、困ったな。騎士団付きの料理人は、こんな調味料の使い方は知らないだろう。ミナホ国に詳しい者を探すしかないか」

 本当に困ったような顔をしているリヒャルトの顔を見ていたら、このままではすませていけないような気がしてきた。

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