転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
 騎士団の厨房に案内してもらうと、そこはヴィオラが思っていたよりずっと広かった。

 ガス台はなく、薪で熱を加える料理用ストーブやオーブンなどが備えられてはいるものの、初めて使う調理器具なので、凝った料理は作らない方がよさそうだ。

 調味料も基本的なものしかなかった。塩、コショウ、砂糖にハーブ類。ワインビネガーをはじめとした酢が何種類か。それから調理用のワインなどがそれぞれの保管場所に並べられている。

 味噌を初めて見た段階で想像はできていたけれど、醤油やみりんなどは見つからなかった。

(鰹節も煮干しもないから味噌汁ってわけにもいかないわよね……それに、パンにも合いそうなものの方がいいよね……?)

 頭の中で、調味料の棚に並んでいる調味料を組み合わせながら考え込む。

「肉の貯蔵庫を見せてもらえますか? 豚肉が欲しいんです。あと、キノコと人参と……」

 前世では、鰹節と昆布から取った出汁で味噌汁を作っていたが、鰹節も昆布もここにはない。豚肉とキノコをたっぷり入れた豚汁なら、豚肉とキノコのうまみで十分飲めると思う。

 それから、鶏肉があったら味噌漬けを作ろう。もし味噌の香りが苦手なようなら、上からとろとろに熱したチーズをかければ食べやすくなる。味噌とチーズは相性がいいのだ。

 必要な調味料や食材をそろえ、調理台に向かおうとしたら、ヴィオラよりはるかに背の高い人用だった。

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