悲しみの理由を忘れた少女
〜展望台での出来事〜

西条くんに連れられ私は近くの展望台に来た。


「ごめんね。泣かせちゃった。」

静かに響く彼の声。

「俺、ダメだなぁ。

俺さ、実は1年のあの時に城咲見てからずっと気になってた。

時々見る悲しい顔が、とても切なくてさ。

なんか、淋しそうな感じで。

なんて言えばいいのかな。

もう大丈夫だよって、泣いていいよって

言ってやりたくなった。」

あの時?

「それでさ、2年になって隣の席で、夢か?って笑えるだろ。」

初めて聞くことに私は驚く。

「城咲が淋しい時助けてやりたい。

だから淋しくなったらさ、俺んとこ来なよ。

よく知らない人だからこそ、言えることとかあると思うんだよ。」

そう言って彼は、カラオケであった白い紙に何かを書く。

「俺の電話番号。

キモいって感じだったら捨てていいからさ。」

私は小さなその紙に書かれた番号見つめる。

「ありがとう。」
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