私だけの場所。





車移動で約3時間。着いたのはそれほど険しくもなく、緩やかでもなく、木が多いわけでもない川が緩やかに流れている。って感じの山だった。




「由美姉ちゃん!釣りしよ!!」



「違うよ!由美姉ちゃんは紅亜とお花を探すんだよ!」



なんて、両手を引っ張られる私を見ながらも少し離れた場所でこっちを見ている千夏……視線で助けを求めるが……千夏は何故か肩を落としている。




「由美は双子ちゃんと仲良しになってんのに私は?私は無視?ここに居るんですよー。お姉さん、フリーですよー」



「ふっ、顔でわかんじゃね?この人こわーいって。」



「にゃにょ!?大輝ちゃん、それどーいういみー?」


「そのまんまですが?」




なんて、言い合いを始める始末で……両腕を左右に引っ張られよなよなする私、に助け舟が……




「優希、紅亜……それと、由美……お前らこっち手伝え。」



「えー。隼人兄ちゃん僕今忙しーノ!」



「そうだよー!お姉さんとお花を……」



「そうか、なら、今晩テントで寝なくてもいーんだな?蚊や虫が紅亜に近づいてきて噛んでくるぞ?それに優希、お前の母さんも紅亜もテントなしで寝かせていいのか?」



なんて、2人に聞けばお互い顔を見合わせて私を見てくる双子ちゃん。私は微笑んで双子の頭を撫でテント作りをしていた先生の手伝いをしに行く。




そして、完成したテントに双子ちゃんと共に喜びあっていれば、千夏がお茶を持って歩いてくる。



「おつかれ!優希くん、紅亜ちゃん、テントありがとうね!由美も渡辺さんも!」



「「どーいたしまして!!」」



「佐藤に渡辺さんって呼ばれるの違和感半端ないな……」



「なんだと!?なら、隼人ちゃんって呼ぶぞ?え?いいの?ん?」




「千夏……誰でも絡んでいくのやめなさい。」



「はーい。さて、楓さんがお昼のために釣りに行く。て言ってたけど、どーする?」


「釣り?そういや初体験かも……」



「私もー。ま、立花もいるし……渡辺さんもいるし……大丈夫っしょ!」





なんて、苦笑しながらも先生と千夏と一緒に楓さんたちの所に行く。クーラーボックスと網を持った双子ちゃんに手を繋がれ引っ張られるまま歩いてればキラキラと太陽に照らされた川が見え綺麗だね!と3人で微笑み川に引っ張られるまま中に入る……




「……あの、優希くん?紅亜ちゃん?私……ズボンの裾めくってない……よ?」



「大丈夫!そこまで深くないから!わぁ!!」



なんて言いながらも転びそうになる優希くんを助けようとしたが……水に足を取られ優希くんをかばいながらも一緒に転ける……




「由美姉ちゃんと優希、ビショビショ!!」



なんて、尻もちついてる私と私に抱き抱えられた優希くんを見ながらも笑っている紅亜ちゃん。私もおかしくなりくすくす笑いながらも優希くんを立たせて私も立ち上がる……



この際だから……子供気分で楽しもうか。なんて思い双子ちゃんと網で魚を取ろうとするがなかなか難しく……気づいた時には楓さん達が呆れるほど双子ちゃん達とはしゃいでいたのだった。





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