隠れ蓑〜Another story〜
「山下先輩も先輩の事、大好きなんですね。」
「うん。〝も〟ってことは山口も?」
「はいっ!!!大好きですっ!!!!!美人で!可愛いくて!柔らかい声も素敵で!でも仕事には厳しくて!あんなに素敵なのに自分の事、どこか自信がなくて、、!とっても、、強くて優しい先輩が大好きなんですっ、、、!」
「うん、、そうだね。自分の事は直ぐに諦めたり引いちゃうのに、人の事になると必死になる所が短所でもあるけど長所でもあるからねー。」
「そうっ!!そうなんですっ!!!!自分が言われても困ったように笑うだけなのに、、私が陰口叩かれると凄い剣幕で怒るんです!!!自分の事はいっつも蔑ろにして!!」
「あの子が怒る時って大概が他人の為だもんね。きっとあの子の方が何倍も傷ついてきたのに、、、。傷つくことに慣れちゃってるところあるから。」
気づけば2人の会話は全て先輩の事。
先輩の事で、こんなに盛り上がれる人がいたなんて知らなくて、、それがこんなにも嬉しい。
「でも困らせないように絶対に弱ってる姿を見せない、、。常に相手の事を思いやる先輩はいつも自分の感情なんて後回しで。」
「そうそう。だから津川さんともここまで拗れたんだもんね。結局、最初から想いあってたのに。」
「てかあれだけ、、先輩の事だけが〝特別ですー〟って態度や雰囲気出してた津川さんだったのになんでここまで拗れちゃったんでしょう!?」