隠れ蓑〜Another story〜
「それは、2人とも自分たちの事になると〝超〟がつくほど鈍感だったからでしょ?あの社内1のプレイボーイが、、とか笑っちゃうわよ。あと超不器用みたいだし。周りからのアクション、、特に柿本さんの後押しが無ければ今頃まだ〝偽りの恋人〟関係でいたわよ、多分。」
「お互い似た者同士だったって事ですね〜〜。周りもあわよくば、、とは思ってたみたいですけど、本当はちゃんと分かってましたから。あの2人に入り込む隙間なんて最初からなかったって。」
「そ!結局ね。」
意気投合してお酒も進む。
アルコールも回ってきて、気も緩む。
そしてついにバックに手を掛けた。
しまい込んでいた書面をゆっくりと山下先輩の前に突き出した。
それに視線を落とした山下先輩が目を細めた。
「、、これは?」
「私が作成した嘆願書です。先輩にはどうしても受付から異動して欲しくなくて、、今、署名を集めてるんです。先輩や特に津川さんにはバレないように集めているんですが、それでも結構集まったんですよ!先輩に受付を離れて欲しくないって思ってのは私だけじゃない。こんなにも沢山の人がいるんだって、、、!それを分かって欲しくて、、、。」