隠れ蓑〜Another story〜
、、嬉しかった。
こんな私の事をこんなにも本気で心配して、本気で怒ってくれる人なんか今まで誰一人としていなかったから。
「口先だけなら何だって言えますよね。でも先輩の凄い所は、本当に有言実行しちゃう所なんです。不倫相手に私以外にも相手がいることが後々分かってその人との不倫が馬鹿らしくなって別れを切り出したんです。でもなかなか別れてくれなくて、、その人が受付まで押しかけてきた事があったんです。その時、身を呈して守ってくれたが先輩で、、その人と縁を切らせてくれたのも先輩でした。」
〝お引き取り下さい。真美ちゃんを1番に大事にしなかった貴方に、、真美ちゃんは絶対に渡しません。これ以上真美ちゃんを苦しめるなら法的処置を取って貴方と全力で戦います。私は真美ちゃんの為ならここを辞める覚悟だってあります。お互いの覚悟を賭けて戦いましょう?それが出来ないのでしたら、今後一切真美ちゃんには近づかないで下さい。〟
またあの時の光景が頭に浮かんで、とうとう我慢出来ずに涙が溢れた。
私よりも身長の低い筈の先輩の背中が、私を隠すようにあの人に立ちふさがった、、、あの時は先輩の背中はとても大きく見えた。
「力や権力を振りかざしてきたその人に、臆する事なく立ち向かった先輩は、まるで現代のジャンヌダルクのように美しく気高い女性でした。その時に思ったんです。一生、この人について行こうって。その時から先輩は私の憧れで目標なんですっ!!!」