隠れ蓑〜Another story〜
「それからは先輩に追いつきたくて、今まで必死に頑張ってきたんですっ、、!それなのに違う部署に異動だなんて。まだまだ先輩には、私の近くにいて沢山の事を教えて貰いたいんです!!先輩がいない受付なんて、、いる意味がないっ!!!だから嘆願書を作りました。、、私のわがままで始めた事です。でも先輩も求めて貰えているのなら受付に残りたいっておっしゃったんです。だから、、私っ、、!」
興奮しすぎて立ち上がると、山下先輩が困ったように笑った。
「理由は嫌ってほど分かった。だからとりあえず座ってくれる?」
冷静に諭されて、我に返り腰を下ろした。
席に着くと、ため息をついた山下先輩が手を差し出してきた。
「あと、どの位集めればいいの?知り合いは少ない方だけど重役達には気に入られてる方だからそこら辺には融通も利かせられると思うわ。その危険な船、、私も乗ってあげるわよ。船が沈んだ時は2人仲良く就活よ?覚悟してなさいよ。」
そう言った山下先輩は、どこか楽しそうに笑ってて涙が出るほど嬉しかった。