隠れ蓑〜Another story〜


「西村さんの部署異動の取り消しを願う嘆願書だ。署名も社内だけでは止まらず取り引き先の重役や代表の名前まである。、、私としてはこれを無視するわけにはいかないな。それに集めた彼女も、、相当な覚悟の上だ。」


次に私が書いた退職願いを津川さんに手渡した。





「、、彼女も優秀な受付嬢。会社の顔である優秀な受付嬢を〝2人も〟失う訳にはいかんだろう?失う戦力はあまりにも大き過ぎる。お前も、、そう思うだろう?」



社長の問い掛けにも答えず、終始無言の津川さんに体を向け言葉を発した。







「先輩はっ、、我が社の顔である受付に居なくてはならない存在ですっ、、!そう思っているのは私だけじゃない。その嘆願書に署名された方達の総意の意見です!!津川さんだって、、本当はそう思ってらっしゃいますよね、、、?先輩以外、受付に見合う女はいないって!」

『、、そうだったとしても本人の意思は?本人は、、晶帆は異動してもいいと言っている。』

「それはっ、、自信がないから言った事で!!、、先輩はおっしゃいました、、。こんな私を必要としてくれる人がいるのなら、、受付に残りたいって。だから嘆願書を集めたんですっ!!!先輩に知って欲しかったっ、、!こんなにも求められ、必要とされているということを!!!!自信を持って欲しかったんです!!勿論、処分は覚悟の上です。煮るなり焼くお好きにどうぞっ!でも先輩に自信を持って貰う為なら私はなんだってしますからっ、、!」


< 124 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop