隠れ蓑〜Another story〜
晶帆のいない受付は、やっぱり想像できなくて何気ない日常も彼女がいれば毎日が楽しいのだ。
そんな晶帆と少し世間話をしてから別れを告げ、受付に足を向けた。
「山口ちゃん、お疲れ様。今日の夜なんだけと、一緒に飲み行かない?」
「あ、山下先輩っ!お疲れですっ!!!すみません〜〜っ今日は大学の友達と飲み会があってっ、、。」
「そっか、ならまた誘う。」
「えぇーっ!折角の山下先輩からお誘いだったのに〜〜、、タイミング悪、、。やっぱりキャンセルしようかなっ、、。ん〜〜。」
本気で落ち込んだように項垂れる山口ちゃんに苦笑いを浮かべる。
「行っておいでよ。お互い友達は少ないんだから大事にした方がいいわ。私とはいつでもいけるじゃない。今度は晶帆と女3人で飲みに行こう?」
そう声を掛けると、ガバッと顔を上げ目を輝かせた山口ちゃん。
「なんですかっっ!その最高のメンバーっ!!!!言いましたからねっ!?もう取り消しとか効きませんからねっ、、?!?!」
「はいはい、私はいつでもいいから晶帆と日時決めておいて。決まったら連絡して。じゃあ、部署に戻るわ。晶帆にも宜しく言っておいて。」
入り口付近でお客様の対応に追われている晶帆が目に入って伝言を頼んだ。
そして戻ろうと確認もせずに後ろへ下がると、誰かにぶつかってしまった。