隠れ蓑〜Another story〜
ずっと片想いしている相手は兄の友人。
会社の近くで居酒屋を営んでいる人だ。
この会社に就職して、たまたま飲みに行った先に兄の友人が経営者兼店長として働いていて久しぶりの再会に驚いた。
それが彼だ。
ただ、昔から面識があったかと言われればあまり記憶にない程度でどこが好きかと言われれば、上手く答えられないけど彼の醸し出す雰囲気が好きだ。
だからあの居酒屋を通うようになってから、そういう感情を彼に抱くようになった。
恋愛に少し疲れていて、こんな片想いも悪くないなと思っている。
店長の事を考えていると、急に顔を見たくなって柿本さんと飲みに行く場所を彼がいる居酒屋にした。
途端に夜が待ち遠しくなって、足取り軽く庶務課へと向かったのだった。