隠れ蓑〜Another story〜


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「そろそろ店を閉めたいんだけど、大丈夫かな?」




店長の声に弾かれたように2人して我にかえる。

時計を確認すると店の閉店時間を大幅に過ぎていて店内は私と柿本さんしかいない事に気付き慌てて立ち上がった。





「店長すみませんっ!!!めちゃくちゃ過ぎてましたっ!!!直ぐに帰ります!!!」

「えっ!?本当だっ!!!店長さん?本当にすみません。つい、、場所も忘れて没頭してました。お勘定お願いします!」






私も柿本さんも急いで帰る支度をすると、柔らかい店長の声が耳に響いた。




「そんなに急がなくて大丈夫ですよ。莉子ちゃんが無意識に飲み続けてくれたお陰で今日の売り上げは上がりましたから。嬉しい悲鳴ですよ。だからまたいらしてください。」



店長は嫌な顔1つせず、柿本さんに笑い掛けていた。

本当は凄い迷惑だったはずなのに、そんな顔せず言葉をかけてくれる店長がやっぱり好きだと思った。


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