隠れ蓑〜Another story〜
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あれから柿本さんとは飲み友達になった。
飲友といっても飲むのは私だけで、柿本さんは飲む私を楽しそうに眺めながらデザイン画を描くという奇妙な飲友関係だ。
最近では、晶帆とよりも柿本さんと飲みに行く日が多いくらいだ。
今日も柿本さんから飲みのお誘いが来て、昼休憩に社食で食事しながら返信をした。
珍しく携帯片手に食事をしている姿を見て、晶帆が驚いてずっとこちらを見ている。
その視線に気づいて苦笑いを浮かべた。
「ごめん、行儀悪かったよね。」
「ううん、そうじゃなくて。珍しいなぁって思って。莉子ちゃん最近携帯触ってる事多いから驚いて。、、それに。」
「それに?」
「、、凄く柔らかい表情してるから、相手は莉子ちゃんがこの前言ってた〝好きな人〟なのかなって思って。」
嬉しそうにしている晶帆に勘違いさせて申し訳ない気持ちになった。
「嬉しそうにしてくれてるとこ悪いんだけど、、相手は違う人だよ。ただの飲み友達。今日も飲みに誘われたから返信してただけだから。」
「そう、、なんだ。私てっきり、、。でもっ莉子ちゃんが飲み友達のも嬉しい!莉子ちゃんいつも私と飲み行く時、セーブして飲んでる感じだったから。」