隠れ蓑〜Another story〜
店長と同じ事を言われるくらい、私って分かりやすいのかとショックを受ける。
絶対に気になっているであろう私の〝好きな人〟
でもそこをあえて聞いてこない所が晶帆の優しさだという事も分かってる。
報われない恋なだけに、親友に相談しても困らせるだけだと分かっているから何も言えない。
この恋に区切りをつけて、また新しい恋を始められたなら、、その時は笑顔で1番に相談するから、、。
だからもう少しだけ優しさに甘えてさせて、、?
そう心の中で謝って話題を変えた。
「晶帆はどうなの?津川さんとは上手くやってる?」
「えっ!?私!?!?どう、、かな。上手くやれてるか自信ないけど、圭くんは凄く大事にしてくれるよ。幸せだよ、、とっても。」
「なら安心した。営業から人事に移ってから津川さん、忙しいみたいだから。柿本さんも全然会えてないって言ってたし。」
「柿本さんって光さん、、?」
つい何気なく柿本さんの名前を出してしまって、慌てて席を立った。
「っ〜、、ごめんっ!急ぎの仕事あったの思い出しちゃったから先行くね。」
そして逃げるように社食から飛び出した。
何故かこの時、柿本さんとの飲み友達として頻繁に会っている事を隠してしまったのか分からなかった。