隠れ蓑〜Another story〜


だから俯いていた顔を上げて、笑顔を向けた。



「っ、、おめでとうございますっ!!!店長には勿体無いくらいの美人さんですね。でも、、とってもお似合いです。、、本当に、、。」




笑顔を保ちたいのに言葉を掛けていると、どんどん表情が保たなくて眉が下がる。

そして我慢していた涙が馴染みそうになった時、急に視界が真っ暗になった。







最近よく側で嗅ぐことのある香りと温もりで、、、気づけば柿本さんの腕の中にいた。








「店長さん、ご結婚おめでとうございます。」

「柿本さん!ありがとうございます。それはそうと、、莉子ちゃんは、、?」

「、、彼女。今日体調がすぐれなかったみたいで。」

「あぁ、それで今日ペースが遅かったんだ。こんな時にごめんね?莉子ちゃん。」

「酔いも回っているみたいなので、今日はこの辺で失礼します。お会計は明日、自分がお支払いきます。」

「いえいえ、つけときますからいつでも大丈夫ですよ!」






私を他所に何故か話が進んでいく。

腕の中から抜け出したいのに、凄い力が込められていて身動きがとれない。



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