隠れ蓑〜Another story〜
最近の彼の言動は前と比べると甘い。
前から優しく扱ってくれていたけど、想いが通じあってからは更に甘さが増した。
私の前ではいつも穏やかだった彼が、素を見せてくれることも多くなってそれが堪らなく嬉しいのだ。
同僚に見せる素っ気ない態度だったり、少し荒々しい口調だったり、その全てが愛おしい。
そして最近分かった事は、意外と彼は甘えたがりだという事だ。
人事部長になった彼は、営業の時と違いロビーを通る機会が少なくなった。
だからその反動なのか、部屋で過ごす時はどんな時も隣にいて側を離れない。
料理の時は勿論、食器を片付ける時もずっと隣にいてくれて眠る時も勿論ピッタリとくっついて眠る。
彼が人事部長になって、仕事量も多くプライベートで会えるのは週に一度程度。
だからこうして週に一度しかない時間を大切にしてくれる。
甘い甘い言葉をくれる。
だから言葉にするのは恥ずかしいけど、そんな彼に少しでも返したい。
「っ、、私も早く圭くんに会いたかったよ。最近、全然会えなかったから、、寂しかった、、、。圭くんが好きだから、、温もりが恋しかったの、、。」
そう言って遠慮気味に彼に抱きついた。