隠れ蓑〜Another story〜
気まずそうに目を伏せる彼に微笑んで声を掛けると、少し顔を赤くした彼が逃げるように浴室へと向かっていった。
「ふふ、、可愛い。」
照れたように浴室に姿を消していった彼の後ろ姿を見送ってから食器を片付け、彼が着ていくであろうスーツとシャツにアイロンを掛ける。
丁度掛け終わる頃に、浴室からビシッと髪型の決まった彼が姿を現し彼にアイロン仕立てのスーツとシャツを手渡す。
「ありがとう。ネクタイ結んで?」
自ら選んできたネクタイを差し出され、私の身長に合わせて屈んできた彼。
最近の彼のブームらしく、絶対に自分でした方が綺麗で早いのに私にネクタイを結ばせたがる。
少し形が歪でも、鏡でネクタイを確認して満足そうに柔らかい表情をしてから鞄を持つ。
そして必ず頭を撫でる。
「ネクタイありがとう。じゃあ、行ってくる。今日も変な輩には気をつけて。」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。圭くんこそ、ちゃんとお昼食べて、休める時にはちゃんと体を休めてね、、?」
「あぁ。、、また連絡する。今度は俺の部屋に来て。」
「うん。連絡、、まってるね。でも絶対に無理はしないで?行ってらっしゃい、圭くん。」
背を向けると手を上げて部屋から出て行った。