隠れ蓑〜Another story〜
「、、恐れ入ります。朝早くからお疲れ様です。少し肌寒くなってまいりましたので、大変お忙しい日々をお過ごしかと思いますが、どうか、、ご自愛下さいませ。」
そう声を掛けて微笑むと、1番遠いところに立っていた彼の手が伸びてきて通り過ぎ際に優しく頬を撫でる。
『、、時間が押していますので行きましょう。山口さん、西村さんも気をつけて。』
目を細めて背を向けていく彼に、慌てて頭を下げた。
だってきっと今、だらしない顔をしている。
そのまま気配がなくなるまで頭を下げて続けた。
顔の熱がキチンと引くまで。
「っ〜〜相変わらず嫉妬深いっ、、!先輩が自分以外の男に可愛く微笑むのも許せないなんて。しかも相手は上役なのにっ!、、、でも、、牽制もスマートすぎるから許せちゃうっ!!!もう!先輩の幸せ者っ!!!」
真美ちゃんに冷やかされて、折角落ち着いていた熱がまた上がる。
「ま、真美ちゃんっ、、!大袈裟だよっ。」
「何言ってるんですか〜〜。津川さんのピリついたオーラに重役の方々も苦笑いしてたじゃないですか。本当嫉妬深い男に捕まりましたね、先輩は。でも、、お似合いだから仕方ないかな〜。」