隠れ蓑〜Another story〜
そう呟くと、またキツく抱きしめられた。
「圭くんっ!?っ、、苦しいよ!!!」
「そんな顔、誰にも見せたくない。、、やっぱり場所を間違えたな。」
ギュウギュウと逞しい胸板に顔を押し付けられ息が出来ない。
彼の背中を必死に叩くが、力は強まるばかりだ。
思うように呼吸ができずに意識がボンヤリしてきて、限界をむかえようとした時だった。
『圭、いくら昼休憩だからといってもはしゃぎ過ぎだ。大人なのだからもう少し場を弁えなさい。それに、、、彼女を離してあげなさい。苦しそうだ。』
「社長っ、、!?」
「社長がなんでここに!?!?」
「てか今〝圭〟って呼んだよね?!やっぱり津川さんが社長の甥って本当だったんだ!」
ザワザワと騒然としたロビーに、今朝も聞いた声がロビーに響く。
そしてその言葉に反応して少し緩んだ力。
その隙に慌てて彼の腕の中から抜け出すと、腕を組んで困った表情を浮かべる社長の姿。
「しゃ、社長っ、、!!すみませんっ、、私がっ、、いけないんです!!だからけ、、津川さんは関係ないですっ、、、!!処分は私がっ!」
慌てて彼の前に立ち、頭を下げた。