隠れ蓑〜Another story〜
するとぐっと身体を引かれ、彼の広い背中が視界を遮った。
「、、すみません。暴走しました。でも彼女は何も悪くありません。」
姿勢を正して、真っ直ぐと腰を折った彼。
長い間、彼は頭を下げ続けた。
すると盛大な溜息が聞こえた。
「昼休憩をどう使おうと構わないが、私の耳にも入ってきたから少し様子を見に来ただけだよ。、、勿論、社長としてじゃなくてお前の叔父としてだ。だから頭を上げなさい、圭。それに真面目な西村さんの事だ、、彼女に非がある訳がない。そんなの、彼女の普段の仕事振りを見れば誰しもが分かる事だよ。」
普段見せる社長としての表情とは違って、優しい穏やかな表情は初めて見た。
つい見つめてしまうとそんな視線に気づいた社長と目が合って、更に目尻を下げた。
「、、圭が悪かったね。少し愛情表現が歪んでる所があるが、、、末長く宜しく頼むよ。」
そう声を掛けて下さった社長は、とても優しい顔をしていて、それを見て強く頷いた。
「はい、、こちらこそ宜しくお願いします。」
「じゃあ、そろそろ業務に戻ろうか?皆もいいね。解散だ。」
社長の鶴の一声で、ロビーにいた人集りが一気にそれぞれの部署に戻っていった。