隠れ蓑〜Another story〜
静まり返るロビーに残されたのは、受付勤務の私達と彼だけ。
「、、じゃあ、俺も戻る。また夜に今後の話をしよう。いい?」
「うん、、、終わったら連絡します。何時になっても大丈夫だから、くれぐれも無理しないで?私はいつまでも待ってるから。」
「あぁ、分かった。じゃあまた夜に。」
頭にポンと手を置いて一度目を細めながら視線を合わせ、颯爽とエレベーターへ向かっていく彼を受付から見送る。
とうとう真美ちゃんと2人きりになって午後から業務が始まった。
早く切り替えなきゃいけないのに、ずっと夢の中にいるようにふわふわとしている。
「、、先輩、おめでとうございます。ふふ、そんな先輩の姿見れるなんてなぁ〜。」
「ごめんねっ、、!?だらしない顔してるよねっ、、。直ぐに顔戻すから!!」
頬を強めに叩いて、表情を引き締めようとするがふわふわした気持ちは全然に切り替えられない。
社会人になってこんなに事初めてで、、、こんな自分が恥ずかしくて涙が滲む。
「私、嬉しいんですよ。いつも真面目でどんな時だって凛とした先輩の姿しか見た事なかったのに、そんな風に仕事に手がつかなくなってる幸せそうな先輩を見れるのか嬉しいです。だって好きな人からのプロポーズですよ?浮かれて当然じゃないですか。、、そんな普通の〝女の子〟みたいな先輩が前よりもっと好きになりました。」