隠れ蓑〜Another story〜


大分前のめりの2人に、呆れた表情を浮かべてながらも莉子ちゃんは答えた。







「結婚式ってお金も時間も掛かる。それから津川さんの交友関係とか会社関係とか多いでしょ。そうなると凄い規模の披露宴になるだろうから、引っ込み思案な晶帆にはそれが耐えられないらしいわよ。あの子、結婚した今でも〝私なんか釣り合わないー〟って言ってるからね。」

「出たっ!!!先輩のスーパーネガディブ!!!どうして先輩って自分に自信がないんでしょうね、、、。あんなに理想的なカップルなんていないのに。」

「それはほら、あの子の性格だから。」

「でも理由ってそれだけ?それが理由なら挙式だけ挙げればいいんじゃないの?そしたら近しい身内と友達しか来ないでしょ。」

「そうね、、、私もそう言ったんだけど、、。」








言葉を濁した莉子ちゃんは視線を逸らした。

その横顔はとても優しい表情をしていて、それだけが理由じゃないと分かった。








「それで、、本当の理由は?」




そう確信に迫ると、苦笑いしながら呟いた。





「これ、誰にも言うなって言われたんだけど。、、、、嫌なんだって。津川さんのタキシード姿を他の女子に見られるのか。きっとそれがあの子が式を挙げたがらない最大の理由。」



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