隠れ蓑〜Another story〜
2人が揃って並ぶとパイプオルガンの音だけが響いていた会場が一気に歓声が上がる。
「周囲が気にならないくらい俺を見て、、?俺は晶帆しか見えない。」
そう言って差し出された手。
彼の綺麗な瞳には私の姿だけが写っていて、その熱い瞳から目が逸らせない。
「俺は晶帆と出会ったあの日から、晶帆だけを見てきた。そして今もこれからもずっと晶帆だけを見ている。だから晶帆も俺だけを見ていて欲しい。この周囲の視線が気にならないくらい、、、俺だけを。」
そのまま彼を見つめながら、差し出された手に自らの手を重ねる。
彼の瞳を見つめ続けると、あんなに騒がしかった周囲の歓声が一瞬で聞こえなくなった。
聞こえるのは彼の声と優しいパイプオルガンの音色だけ。
まるでここには2人だけしか居ないような、、そんな錯覚に陥る。
「そして愛を誓わせて欲しい。」
眉を下げて微笑む彼が腰を優しく引きつけ一歩、前に進む。
2人で一歩、また一歩と前へ進んでいくが彼の瞳に私以外がうつることはない。
そして私の瞳にも彼しかうつっていない。